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阪急1010系電車

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阪急1010系電車, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=312364 / CC BY SA 3.0

#阪急電鉄の電車
#1956年製の鉄道車両
#アルナ工機製の電車
阪急1010系電車(はんきゅう1010けいでんしゃ)は、1956年に京阪神急行電鉄が導入した高性能電車である。
1954年に試作された1000形の実績を踏まえて改良した量産車で、1010系は神戸線に投入された。
本項では神戸線用量産車の1010系のほか、1010系と同仕様で宝塚線用の1100系についても記述する。
京都線仕様の量産車である1300系(初代)、量産車車体の機器流用車で神宝線用の1200系、同じく機器流用車で京都線用の1600系は、それぞれの項目で解説する。
また1010系・1100系を能勢電鉄に譲渡した能勢電鉄1000系についても本項で記述する。
1010系・1100系は1000形の試用結果を元に製造された量産高性能電車で、歯車比の相違等から神戸線用(1010系)と宝塚線用(1100系)に区分された。
1956年から1961年にかけて1010系が35両と1100系が51両の合計86両がナニワ工機で製造された。
1010系が全電動車方式として、当初は制御電動車の1010形のみであったが、経済性から制御車で電装準備車とした車両が登場し、後に1017形と呼ばれる。
後に中間付随車の1050形が登場した。
1100系は当初より経済性を重視して、制御電動車1100形(Mc)-制御車1150形(Tc)による1M1T編成として設計された。
その後、宝塚線の利用客増加に伴う増結用として、1140形(Mc)と1190形(Tc)が増備されたが、これらの車両は1両単位での増結用であったため、連結面側も狭幅貫通路および自動連結器付きであった。
基本設計は1000形に準じ、準張殻構造の軽量車体を備えるが、換気装置として新たに三菱電機製ファンデリアが採用された。
このファンデリアは天井中央部に設置されており、車内天井と車体屋根板との間に風洞を設け、さらに車体側面の雨樋上部に換気用ルーバーがほぼ全長に渡って設置されるなど、複雑な構造の二重屋根となった。
900形以来の車体デザインに大きな変化がなく、利用客には新車であると認識されず、車内には『この車両は今年の新造車両です』という車内広告が掲出されていた。
初期車は1000形や810系などと同様、2扉ロングシート車として製造されたが、1100系では1958年製造の1108以降、1010系では1959年製造の1030以降がラッシュ時の混雑緩和と乗降時間の短縮を狙って当初より3扉で落成した。
また、2扉車については1966年から順次、3扉化が行われている。
1000形での実績を反映し、定格出力の引き上げを図った東芝SE-515-C(端子電圧300V時定格出力90kW)が採用された。
駆動システムはWNドライブが引き続き採用されている。
歯数比は神戸線用で全電動車用1010系が4.16、MT比1:1が基本の1100系が5.76となった。
ただし、これは後年神戸線の5両編成化時に1010系もMT比3:2に再編され、歯数比を5.76へ引き下げたため、最終的には両系列の走行性能は統一されている。
電気機器は架線電圧1500Vへの昇圧対応が見送られ、電動発電機や空気圧縮機は600V専用となった。
このため、主制御器はPE-10Bの実績を基に改良・簡素化して同期機能を省略したPE-13Aを採用した。
補機の配置は1010系では1000形に準じて奇数車と偶数車で集約分散配置とされ、1100系では電動車に電動発電機を、制御車にコンプレッサを搭載してこちらも集約分散配置とされていた。
ブレーキは1000形に準じ、発電制動併用自動空気ブレーキのAMC-Dを採用した。
台車はアルストムリンク式が本格採用され、当初は1010系が両抱き式ブレーキシューを備えるFS-311を、宝塚線用の1100系が片押し式ブレーキシューを備えるFS-312をそれぞれ装着した。
また、1957年製造の1010系2次車で空気ばね台車の試験が行われ、1018-1019にはFS-311の枕ばねをベローズ式空気ばねで置き換えた形状のFS-320が、1020-1021には日本における量産空気ばね台車の始祖となった京阪1810系用KS-51を基本とする汽車製造KS-52シンドラー式台車が、それぞれ装着された。
シンドラー式台車は円筒案内式台車、という別称が物語るように、軸箱の前後に配されたコイルばねの内部に軸箱の上下動を案内するシリンダーを内蔵してペデスタルを廃止したもので、元来スイス国鉄用軽量客...

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