阪急電車

阪急37形電車

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阪急37形電車, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=1289221 / CC BY SA 3.0

#阪急電鉄の電車
#1921年製の鉄道車両
#帝國車輛工業製の電車
阪急37形電車

阪急37形電車(はんきゅう37がたでんしゃ)は、阪急電鉄の前身である阪神急行電鉄時代の1921年に3両が製造された、支線向けの小型木造車体の電車である。

伊丹線は、神戸線の開業と同日の1920年7月16日に塚口駅-伊丹駅間が開業した。開業当初は中間に駅がなく、単線の線路を成田電気軌道から譲り受けた路面電車スタイルの4輪単車である47形が往復していたが、もともと高速電車規格の路線に路面電車タイプの車両を暫定的に走らせていたことから1年を経ずしてこれを置き換えることとなり、本形式が登場した。ただし、本形式は当初から支線運用に投入することが想定されていたことから、後述のように他社の車両と共通したデザインの小型車両となった。

1921年3月に37 - 39の3両が梅鉢鉄工場において製造された。本形式に続いて今津線向けに登場した40形をはじめ、他社においても北大阪電気鉄道1形 (後の新京阪P-1形)、や水間鉄道モハ3形、目黒蒲田電鉄目蒲モハ1形などといった本形式とよく似た小型木造ボギー車が前後して登場しており、メーカーの違いがあるが各社とも同じような車両を製造したことは、都市近郊私鉄の支線や中小私鉄向け小型電車の基本的なフォーマットが確立していたことを伺わせる。

項目ごとの概要については以下のとおり。

車体は木造で、全長は約11.3mと、支線向け車両ということから神戸線向けに製造された51形に比べると3mほど短いが、先に入線した34形に比べると約0.5m長くなっている。定員は65名で、34形の62名からほんの少し増加している。側面窓配置はD(1)8(1)D(D:客用扉、(1):戸袋窓)で、前面窓配置は51形の初期タイプが採用した、俗に「卵型」と呼ばれる半円形の前面に5枚窓を配したデザインではなく、緩やかな曲面を描いた平妻の前面に3枚窓を配したデザインに変更された。屋根は明り取り窓のついた二重屋根で、戸袋窓の上にガーランド形ベンチレーターを取り付けている。座席はロングシートで、運転台との仕切りは51形と同じHポールに似た形状のものを採用している。また、前面には併用軌道区間での運用を考慮してフェンダーを取り付けている。

主電動機はゼネラル・エレクトリック社製GE-203Pを2基搭載した。制御器は直接制御のGE-K-39-Eを搭載したが、直接制御ながら弱め界磁つきである。台車はJ.G.Brill社製Brill 76-Eを履き、集電装置は当時標準のトロリーポールで、ダブルポールであった。

本形式は当初の目的どおり伊丹線に投入されて47形を置き換え、1924年に開業した甲陽線でも使用された。時には今津線でも運用されたことがある。1926年には集電装置をパンタグラフに換装のうえ同時にフェンダーを撤去、1927年には90形の就役に伴い、今津線から40形が伊丹・甲陽両線に転入すると、本形式が押し出される形で箕面線に転出、さらに1930年には、今津線用に1形1 - 6が転入してくると、今度は余剰となった40形が箕面線に転入し、それと入れ替わる形で本形式が甲陽線に転出した。この他、1928年には当時在籍の各形式同様、暖房装置を取り付けている。

この時期の変わった運用としては、大阪市内の併用軌道区間を活用した北野線向けに大阪市電から購入した151形の運用開始前に34形とともに同線の運用に充当されたほか、1927年には能勢電気軌道から34形とともに本形式の借用依頼を受けて、同社の多客期に貸し出していた。その際にはパンタグラフをトロリーポールに換装し、フェンダーを再装着している。

甲陽線に転出した後は、1939年に灯火管制工事を実施されたが、太平洋戦争中にはそれ以外の改造や戦災を受けることなく終戦を迎えた。戦後も甲陽線で運用されていたが、1946年に37を箕面線用の連合軍専用車として整備・使用することとなり、再塗装のうえウインドシルの下に白帯を巻いて前面には「特別 SPECIAL」と記した運行標識板を取り付けた姿に整備されて、同年11月13日付で甲陽線から箕面線に移動して、連合軍専用車として使用されることとなった。残る38・39の2両はその後も甲陽線で使用されていたが、1948年になると甲陽線運用に1形が進出すると小型で直接制御の本形式は余剰となったことから能勢電気軌道に貸し出されることとなり、同年6月に38・39の2両が同社に貸し出された。その後本形式は全車能勢電気軌道が購入することとなり、10月1...

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